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2005年11月17日
三浦展の「ファスト風土化する日本」と「下流社会」を読む
現代人の生活の画一化を「マクドナルド化する社会」と批判するアメリカの社会学者ジョージ・リッツアにならって、日本中の地方から固有性が消滅し画一化した風土になっている状況を「ファーストフード化」と表し、「ファスト風土化する日本ー郊外化とその病理」と題した羊泉社新書を出しています。少年犯罪の郊外化をとらえ「ファスト風土化した地方こそいま最も危ない」と警告を発しています。
「犯罪現場の近くにはなぜかジャスコがある」と郊外型大型店の問題点を鋭く告発しています。
さらに、「日本列島改造論」「全国総合開発計画」や「日米構造協議」がファスト風土化を助長した、と指摘しています。
この著者の9月20日初版の「下流社会ー新たな階層集団の出現」(光文社新書)は「ブッシュと小泉の選挙の狙いが奥深い所から見えてくる」との金子勝慶大教授の推薦文で注目されています。
1955年からの大衆消費社会、中流(意識)社会が二極分化し、2005年に階層社会、下流社会(『中流』から『下へ分化』)が生まれている、と指摘しています。トヨタが「一部の富裕層」向けに「レクサス」を投入したのは、高価格で高利益が得られる、これまでの中流(下流に分化)相手では、もはや高い利益が出ないからだ、と言います。
年代別に「上」「中」「下」の意識調査及び「欲求調査」をもとに階層社会の特質を論じた後、「少数のエリートが国富を稼ぎ出し、多くの大衆は、その国富を消費し、そこそこ楽しく『歌ったり踊ったり』して暮らすことで内需を拡大してくれればよい、と言うのが小泉ー竹中の経済政策だ。つまり格差拡大が前提とされているのだ」と告発しています。「おわりに」では「下流社会化を防ぐための『機会悪平等』」を提唱しています。親の階層が低い子どもは入試の点数に「下駄履き」をする、一流大学の学費をタダにする、こうすれば下流家庭の子ども、地方の子どもが合格し、階層上昇のチャンスが広がる、など型破りな、しかし、階層固定化防止を訴える提案です。
記事 小山ひろみち : 2005年11月17日
