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2006年11月11日
「月光の夏」を読む
8日視察で知覧特攻平和会館を訪ねたとき買った毛利恒之著「月光の夏」(講談社文庫)を昨晩一気に読んでしまいました。
神山征二郎監督の映画になったことは知っていましたが、見そびれていたものです。物語は佐賀県の鳥栖小学校の元音楽女教師が廃棄処分されかけたピアノをもらいたいと申し出、そのピアノにまつわる2人の特攻隊員の思い出話から始まります。
学徒動員された音大生と専門学校生の2人が、神埼郡三田川村の特攻訓練基地から12,3キロを歩いて鳥栖国民学校に来て「死ぬ前に思い切りグランドピアノを弾きたい」と申し出ました。その願いを教頭が受入れ、18歳の代用教員だった音楽女教師が練習していたベートーベン「月光」の楽譜を貸しました。
「先生、あなたの耳に残しておいてください」と言って弾いた思い出のピアノだ、と言う話がマスコミにとり上げられたことから、その2人は誰か、どうなったのか、と取材合戦が展開されていきます。
「あとがき」では、生存している元隊員のプライバシーを配慮し、フィクションの人物設定をしたとし、「戦争の非情さ、今日の平和の貴さ、自由な日々を生きていることの幸せを考えるものでありたい」と書いていますが、作者の思いは十分伝わってきます。
昨年知覧特攻平和館を訪れた時の、重いばかりの印象から、やっと開放されました。
記事 小山ひろみち : 2006年11月11日
コメント
私も「知覧特攻記念館」を訪ねたことがありますが、あの大戦への反省を欠いた特攻物語は、一種の「愛国」宣伝ですね。「月光の夏」私も読みたくなりました。
投稿者 栗本 泰治 : 2006年11月13日 17:42
国家が起こした戦争に、抗い難く命を捧げた理不尽を、若者自身が告発した小説として、強く共感しました。
投稿者 小山ひろみち : 2006年11月18日 01:22
